No.21 『１・２月LPガス輸入価格が上昇！ところでガス価格ってなぜ変動するの？』
『ニイミ通信』 2021/2/8号
こんにちは、ニイミ産業㈱運営事務局の谷口です。
１・２月とLPガスの輸入価格（CP）が上昇してきました。
季節需要に加え、パナマ運河の通峡状況などが原因だと推測しております。
（今後のガス価格見通しは最後に記載しておきました。）
なぜLPガス価格は変動するのでしょうか？
今回はLPガスの価格についてです。
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LPガス価格について
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今回はLPガスの価格の基本についてです。あくまで基本です。
LPガスの価格については、現在多くの会社が毎月変動制を採用しています。
この価格ですが、どういった理由で変動するかご存じの方も多いとは思いますが、ご説明いたします。
「CP」という言葉はご存じでしょうか。
これが、LPガスの価格に大きく影響します。
エルピーガス振興センターでは、CPについてこのような説明がされています。
「サウジCP（コントラクト・プライス）とは、LPガスの最大の輸出国であるサウジアラビアが1994年10月から導入した、輸入国の取引先と交わす契約価格のことをいいます。サウジアラビアの国営企業であるサウジアラムコが決定し、取引先に通告する制度になっています。LPガス最大の輸出国であるサウジアラビアが決定したCPは、世界のLPガス輸出価格のベースとなります。」
【引用】一般財団法人エルピーガス振興センター https://www.lpgc.or.jp/
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CPと原油相場
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そうなんです、サウジアラムコが「一方的に」取引先国に通達される価格です。
これが毎月変動しますので、ガス価格は毎月変動するんですね。
ちなみに、日本であれば、どの会社を通じてLPガスを仕入れてもこのCP価格は同じです。
ではこのCP価格の変動の要因は、どこに起因するのでしょうか。
大きく影響するのが、原油価格です。
この原油価格、需給のバランスなどで動いてましたが、近年では、相場の様相が色濃くでておりますので世界情勢などで、変化してます。言い方はよくないですが、世界のお金持ちのおもちゃだと思っています。
こちらとしては堪ったもんじゃありませんが、仕方ありませんね(笑)
例えば、2021年に入って、このような動きをしています。
１/18 世界での感染拡大継続で、より危険な変異種が発生するとの懸念から原油先物価格は下落。
1/19 バイデン政権の大型の経済対策で景気回復が加速し、原油需要が増えるとの見方が強まり上昇。
1/20 米エネルギー情報局が発表する石油在庫統計で、原油在庫が減るとの見通しから原油は続伸。
1/21 主力ハイテク株主導でダウ工業株３０種平均やナスダック総合株価指数が一時、過去最高値を上回り、同じリスク資産である原油先物も連れ高した面もあり、上昇。
1/22 中国が新型コロナウイルスの感染再拡大により行動制限を強化していると伝わり、原油需要が停滞するとの警戒感が売りを促し、下落。
ほとんどが、現実の需給のバランスではなく、「将来起こりうるであろう」との情報により、価格が上下しています。
サウジのLPガス生産量は原油生産量により左右される為、この原油相場がLPガスの生産量・価格に影響を与えているという事です。
実際にはLPガスの原料の一つとして、原油が存在しているという要素もありますが、CPが原油相場と比較的関係ないところで、動くケースもあります。
今回の上昇の一因になっているパナマ運河の通峡状況がそうですね。
少し、現在のLPガス市況をお伝えします。
パナマ運河の通峡状況が昨年末より非常に混雑しており、通常２～４日で通峡できるのが、７～９日待たなければならない状況でした。
スケジュールの遅れにより、極東着の便がタイト化し、価格上昇の一因になっていたんですね。
しかし、この通峡状況が緩和してきており、LPガスに関しては売り手が多く出てきた一方、
東アジア輸入業者はすでに２月の必要輸入量を抑えていたため、供給過多となっているようです。
２月後半着の便は価格下落傾向にある状況です。
ただ、北東アジアの寒波や、中国のコロナ脱却からの需要増の期待、サウジの自主減産などが価格の下支えしている面もあります。
原油相場が今後どのような動きをするかわかりませんが、今冬は２月CPが最高値で３月CPは下落するんじゃないかな～といったところです。（あくまで個人の感想です）
CPがどの会社に対しても同じ価格なのに、なぜエンドユーザーの価格が違うのか。
LPガスには、「プロパン」と「ブタン」がありますが、その違いは何なのか。
少し長くなりそうなので、このあたりは次回のガス価格の回にしたいと思います。
早く知りたいという方は、いつでもお問い合わせくださいね。
また、自社のガス価格は市況と比べて適正なのかなど、「メルマガ見たんだけど・・・」と気軽にお問合せ下さい。
それではまた次回。