はじめに
「重油ボイラー」を使用しているコストに敏感な工場にとって、燃料費の高騰やCO2排出量の削減は避けて通れない課題です。
そんな中、注目されているのが「再生重油対応ボイラー」です。この記事では、再生重油ボイラーの特徴から導入を成功させるためのポイントをわかりやすくご紹介します。
再生重油ボイラーとは

再生重油ボイラーとは、再生重油を燃料として使用できるボイラーのことを指します。再生重油は、廃油(例えばエンジンオイルや潤滑油などの産業用オイル)をリサイクルして生成された燃料です。再生重油を効率的に燃焼させ、熱エネルギーに変えるボイラー設備のこと。
再生重油は安価かつ環境配慮の点からも注目されていますが、通常の重油ボイラーで使用するには多くの問題があり課題となっていました。
再生重油ボイラーの特徴・メリット
1. コスト削減
再生重油は、原油から生成される重油に比べて価格が抑えられるため、燃料コストを削減する効果があります。
2. 環境負荷の軽減
廃油を再利用することで、廃棄物の削減に貢献します。また、再生重油の製造過程や使用によるCO?排出量の低減が期待されます。また2022年の省エネ法改正により「実質CO2排出量ゼロ」として使用できる点も期待されています。
3. 安定した性能発揮が可能
規格に基づく品質で精製された再生重油は品質が安定していることと、再生重油専用のボイラーは効率的で安定的な運転を可能にします。
4. 設備更新のしやすさ
再生重油ボイラーは、既存の重油ボイラーと似た構造を持つため、比較的簡単に導入できます。
再生重油を通常の重油ボイラーで使うデメリット
再生重油は安かろう・悪かろう!?
再生重油を重油ボイラーで使用するデメリットや課題として再生重油の生成時に一定量の水分・灰分・硫黄などの成分が含まれるため(再生重油の品質による)、ボイラーのタンクやプロセスにスラッジ・ゴミ・残渣が発生・堆積することが挙げられます。 当然、タンク内等の清掃が定期的に必要になりますが、ボイラーの扱いには専門的な知識と責任が伴うため手間や業者に依頼するための時間とコストが発生します。また塩素や硫黄が設備自体を腐食する原因にもなるなど問題があります。
それらを解決するのが、この記事で紹介する再生重油に対応した再生重油ボイラーです。
最新の再生重油ボイラー
最新の再生重油ボイラーは、従来のものにはない特徴を備えています。
1. メンテナンスが簡単
従来の重油ボイラーで再生重油を使用すると、スラッジ(燃焼後に発生する汚れ)がたまりやすく、清掃には専門知識が必要でした。
再生重油対応ボイラーは、内部をホースで洗い流すだけで清掃が完了する設計になっています。
これにより、手間やコストを大幅に削減できます。
2. 耐久性が向上
再生重油に含まれる塩素や硫黄といった成分にも耐えられる設計が採用されており、ボイラー設備そのものの耐久性が高まっています。
いま再生重油ボイラーが選ばれる背景
再生重油やその対応ボイラーが注目されている背景には、法規制の変化や企業の環境配慮意識の高まりがあります。
2022年の省エネ法改正では、廃棄物由来の燃料が「実質CO2排出量ゼロ」として評価されるようになり、多くの企業が再生重油を導入するきっかけとなっています。
また、再生重油対応の技術が進化し、スラッジが発生しても燃焼効率を維持できるバーナーなどが開発されるなど、設備の性能面での向上も導入へのハードルが下げる要因となっていると考えられます。
再生重油対応ボイラーのおすすめ製品
「NBボイラー」 - 環境省認定の安心設計
日本汽かんが提供する「NBボイラー」は、「環境省 LD-Tech 認証」を取得した唯一の再生重油対応ボイラーです。この製品には次のような特徴があります。

- 丸洗い構造:ホースを差し込むだけで清掃が可能。スラッジの清掃が効率的に行えます。
- 高耐久性:精製重油に含まれる設備への腐食成分にも耐久性をもった製品設計となっています。
- エコノマイザー搭載可能:熱回収装置「エコノマックス」を使用することで、燃料効率をさらに向上させられます(例:給水温度を15℃から90℃に上昇)。
これらの機能により、導入後の運用負担が軽減され、長期的なコスト削減が期待できます。
再生重油ボイラー導入の流れ
現在使用しているボイラーの燃料消費量や維持費を分析し、再生重油ボイラー導入の効果を検証します。
予算や工場の規模に応じて最適なボイラーを選びます。メーカーや専門業者と相談しながら進めると安心です。
設置に必要な配管工事や電源設備の確認を行い、導入計画をまとめます。
再生重油の安定供給を確保した上で運用を開始します。初期運用時には技術者のサポートを受けるとスムーズです。
最新の再生重油ボイラーならこうした清掃やメンテを自社内で完結することも可能です。
再生重油ボイラー導入時の注意点
1. 燃料の品質確認
再生重油の品質は製造元により異なる場合があるため、品質の安定した供給元を選ぶことが重要です。ニイミ産業は再生重油は廃油の自社回収から自社プラントにより生成まで一貫した生成プロセスにより高い品質を誇ります。
2. メンテナンス
一般的な重油ボイラーでは、再生重油は重油に比べて不純物が残る可能性があるため、定期的な清掃や点検が必要です。この記事で紹介した設備を導入することでそうした課題にも対応できます。
3. 導入検討から運用までのトータルな視点
設備を入れるだけではなく、再生重油の調達からその後の長期を見据えた安定的な運用を考慮する必要があります。購買・資材担当者様や設備管理担当様らとの調整も必要です。それらに対応できる専門的な知見や機動力をもったパートナーも必要です。
まとめ
事例集・お役立ち情報・相談窓口
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資料ダウンロード
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社内でご検討用にメンテナンスの流れや実績などをまとめた資料をPDFでご用意しています。無料でご覧にいただけますのでダウンロードしてご活用ください。
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問い合わせ・ご相談・無料調査のご依頼
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お電話でのお問い合わせもお気軽にどうぞ。専門知識をもった担当スタッフが丁寧にお応えいたします。ご希望の場合はご訪問でのご説明も可能です。
- お電話:0533-86-2318
対応エリア
東海三県(愛知県・岐阜県・三重県)を中心に滋賀県東部、静岡県西部など近隣エリアをカバー。各地域に拠点を構え、途切れることのないガス供給網を構築しています。

再生重油ボイラーは、燃料費の削減と環境負荷の軽減を同時に実現する、これからの時代に合ったソリューションです。
特に、CO2削減が求められる中、法律改正にも伴い経営視点でもその効果がより顕著に現れるようになってきています。
「燃料費を抑えたい」「環境にやさしい選択をしたい」という工場の皆さまに、再生重油ボイラーは最適な選択肢です。本記事で扱った製品の取り扱いはもとより、再生重油の製造から配送まで一貫して行っているニイミ産業でしたら、トータルなサポートもできますのでぜひ積極的な再生重油ボイラーならびに再生重油の活用をご検討ください。
馬場 広行
所属は石油部門。専門領域は潤滑油全般。 お客様のニーズに合わせ、機械をしっかり理解した上で最適な提案を行います。 石油製品のご提案から機械設備のメンテナンスも得意としており、工場の幅広いサポートが可能です。 趣味はマラソン。どんなことでもお気軽にご相談ください。