症状・問題
工場の循環ブロワーやファンに異音が発生することがあります。異音は設備の不具合の兆候であり、迅速な対応が求められます。以下は一般的な症状です。
循環ブロワーの異音・動作異常
- ガラガラガラという非常に大きな音が出る
- 時間とともに音が大きくなり、頻度も増加
- 最終的にモーターの過負荷により、設備が停止
ファンの異音
- カラカラカラという音が聞こえる
Vベルトからの異音
- キュルキュルという音が鳴っている
- 機械の立ち上げ時や運転開始時に特に音が大きい
解決のための重要ポイント
異音の解決には、その発生源を特定し適切な対策を講じることが重要です。異音は故障の前兆であるため、早期の対処が必要です。異音を無視すると、設備の重大な故障に繋がり、高額な修理費用や操業停止のリスクが高まります。
異音の原因と解決方法
異音の原因として考えられる主要なケースとその解決方法を紹介します。
ベアリングが原因のケース
グリスの問題
- 過度な負荷(力・温度)がかかっていないか確認する
- 適切な温度帯に対応するグリスを使用すること
例えば一般的なリチウムグリス(-30℃~120℃までの温度範囲)の場合、-40℃の環境で使用すれば固まって動作不良が起きることもありますし、150℃まで上がれば焼き付いてしまいます。
- グリスの量を適切に保つこと
グリスの適切量はベアリングの空間面積の30~40%程度、またはハウジングの空間面積の30~60%程度が目安です。グリスの充填量が多いとごみやほこりと混ざり硬化します。また攪拌により発熱し、グリスの変質・劣化・軟化をもたらすため注意が必要である。
経年劣化
ベアリングの摩耗を確認し、必要に応じて交換します。寸法変化、荒れ、傷などが判断基準となります。
Vベルトが原因のケース
摩耗
- モーター軸とファンの軸の距離が変わり、緩んでいないか確認する
- 軸が平行でなくなりどちらかが傾くと、摩耗が悪化することがある
- テンションの調整ミスがないか確認する
- オートテンショナー(自動で伸び調整機能)の有無を確認し、ないものは確認し、調整を行います
- Vベルト交換する際は、省エネタイプのVベルトを検討してみてください。電気代を3~6%節約できる可能性があります
プーリー
- 摩耗が原因でプーリーが劣化している場合、交換や調整を検討
ブロワーの羽根が原因のケース
塗料カスの付着
塗料カスやオイルミスト(油分のチリ)が付着してバランスが崩れ、故障に繋がる場合があるため、清掃が必要(ただし、中途半端な清掃はバランスを崩し、悪化する可能性がある)
循環ブロワーの羽根を回転させて少し引っかかる様な異音を確認
その他の異音
設備全体の問題
炉体や部品が振動で共鳴(共振)している場合があります。また、 設備、外壁、鉄板、点検口の固定がしっかりしていないことや、ビス一つが原因のケースもあります。 工場全体の点検が必要となります。
専門家からのアドバイス
異音を感じたら放置せず、早急に対処することが重要です。早期の対処でVベルトの交換やグリスの費用だけで済むことが多いです。放置するとベアリングの交換や軸の交換が必要になり、費用が増加します。ブロアー・ファンが特注品だった場合、納期がかかったり、交換費用がかさむ場合があり、最悪の場合、数ヵ月の操業停止リスクもあります。
異音を早期に発見し、適切な対策を講じることで、設備の長寿命化とコスト削減を実現しましょう。
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