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第2回『フレームロッドは安全装置』

こんにちは。ニイミ産業の安藤です!

1回の記事では『燃焼のメカニズム』について紹介しました。

 

燃焼には「エアー」「ガス」「スパーク」が必要なことが分かりましたね!

今回は前回で少し触れたフレームロッド(検知棒)を取り上げて、

燃焼設備の理解を深めていきたいと思います。

 

フレームロッドについてお話する前に

燃焼設備のバーナー制御について簡単に説明します!

 

バーナーの電子制御はどのような仕組みで動作しているか、

その動作の指令は何がどのように出しているかご存知でしょうか?

 

バーナーの点火、燃料供給、空気量の調節など燃焼設備は電子制御で動作します。

この燃焼プロセス全体を管理している装置を、

バーナーコントローラー(プロテクトリレー)といいます!

 

 

何か異常が起きた際に燃料供給を止める指令や、

基本的な燃焼設備の点火フローを電子制御してくれています。

燃焼を検知するセンサーと組み合わせて使用して、

燃焼プロセスを監視し効率的かつ安全に制御することが可能です。

バーナーコントローラーは安全装置と言われています。

燃焼設備にとって心臓部とも言える部品です!

 

そして今回のテーマ、フレームロッドは監視装置のひとつに位置づけられます。

バーナーコントローラーにフレームロッドなどセンサーの役割を担う部品を、

組み合わせることで燃焼設備を安全に制御しているのです。

 

エアーとガスが混合されて、ノズルの先でスパークが飛ぶことで

初めて種火が着くことを第1回で学びました。

フレームロッドは炎の導電性(電気を流す性質)を利用して、

炎を検知するセンサーの役割です。

 

…炎が電気を流すってどういうことでしょうか??

そもそも物質とは、原子や分子の中に存在するプラスの電気を帯びた陽イオンと、

マイナスの電気を帯びた電子によって構成されています。

電子が物質内で移動することによって電流を生み出します。

 


 

物質の中でも電気を流しやすい物質と流しにくい物質があります。

 

そして炎は、電気を流します!

 

炎はプラズマという特殊な状態であると考えられていて、

固体でも液体でも気体でもない第四の物質状態です。

本来は電気を通さない気体でも、プラズマになると電子が自由に飛び回っているので、

電圧をかけると電気が流れるのです。

 

炎の中を一体どのように電気が流れるかイメージできますか?

具体的な動作原理を図にしました!

 

 

フレームロッドを図のように炎の外炎に挿入して使用します。

 

炎が付くと、炎を構成している原子や分子が激しく衝突し、

プラスの電気を帯びた陽イオンとマイナスの電気を帯びた電子に分かれます。

そして、⊖電子が規則正しく連なり電気が流れます。

外炎とフレームロッドの先端が図のように接触していると、

フレームロッド側へ⊖電子が移動して電気が流れます。

 

続いてフレームロッドで検知する電流と、バーナーコントローラーの制御を順に紹介します。

 

 

図のように炎から⊖電子がフレームロッドへ流れ、その電流をバーナーコントローラーが検知します。

バーナーコントローラーが電流を検知すると、

炎がついていると判断し燃焼状態を保持します。

 

このように炎がちゃんとついているか安全確認をしながら、

制御しているのですね!

 

 

 

しかし、フレームロッドの汚れや、熱による変形によってうまく炎検知が出来ず、

炎がつかないと判断をして燃焼を停止してしまう事例が多くあります。

 

 

写真のようにフレームロッドの先端にススや錆が付着していると、

バーナーコントローラーが電流を検知できない可能性があります。

 

 

 

汚れだけでなく位置が良くなかったり熱で変形したまま使用をしていると、

同様に上手く電流を検知できず火がついていないと判断されてしまいます。

 

正しい取り付け位置について解説しますね!

 

 

炎の外炎とフレームロッドの距離が遠いと電気は流れません。

フレームロッド先端の位置がずれると実際には炎がついていても、

電流の検知ができず炎はついていないと判断してしまいます。

それによりバーナーコントローラーが点火動作を止めてしまうので、取り付け位置はとても大切です。

 

実際の炎の有無ではなく、

電気が流れたかどうかで判断をしています!

 

燃焼調整をして炎の大きさが変化した場合は、

フレームロッドの位置もそれに合わせて変える必要があります!

 

 

フレームロッドやバーナーコントローラーなどの安全装置がなかったら…

バーナーが点火動作をしているのにも関わらず、

何らかの異常によって炎が発生していない状態になってしまった場合…

燃料(ガス)が出続けている状態になってしまいます。

 

大きな爆発・事故に繋がりかねません。怖いですよね…。

重大事故を予防するために、安全装置は存在します!

 

 

フレームロッドは工場の燃焼設備、

そこで働く人々を守ってくれている安全装置ですね!

使用環境や経年劣化によって燃焼を妨げている可能性があります!

点火が不安定などのお悩みあれば、ぜひご相談ください。

 

弊社では燃焼設備のメンテナンスの事例を沢山アップしていますのでご確認ください。

是非ガロプロHPの事例をご覧ください!

実績 アーカイブ | ニイミ産業 工業用LPガス部門 (niimi-s.co.jp)

ご相談をお待ちしております!

 

今回は弊社でよく取り扱いのある、フレームロッドについて紹介しました。

炎監視のシステムは他にも種類があります。

あなたの燃焼設備の炎監視を知ることで、設備の理解が深まるかもしれませんね!

 

ではまた次回お会いしましょう!